あの日のカエルと、私の祈りの話

7/24、1ヶ月前の夜のアイソトープラウンジで、私は最前でライブを見ていました。カエルのジャンプの時にミキちゃんが私に煽ってくれた日です。そして私が跳べなかった日。


ライブの後、もう最前でライブを見るのはやめよう、と思いました。チェキ列に並びながら、正直めちゃくちゃに落ち込んでいました。私は今まで、ここを、二丁魁を応援する前にも、何回も何回もライブの見方について悩んできました。これを読んでいるあなたの想像以上に、自分のライブの見方にコンプレックスを持っていました。なんでできないのかと言われてもそんなの私が聞きたいです、わかりません。ただ一つ言えることは、私の「変なライブの見方」に対して、1番気持ち悪いなと思って、1番気にして、1番嫌だなあと思っていて、1番悔しいのは私です。分かっているからこそ悔しい。目立ちたくてわざとやっていると言われたこともありますし、ふざけていると言われたこともあります。断言しますがそうではないです。


ロックバンドが好きだった時も、他のアイドルが好きだった時も、ライブハウスのライブはなるべく避けて指定席を選びました。でもそんなの限界があって、やっぱり会いたいし、ライブハウスにどうしても行かないといけない。そんな時は整番がどれだけ良くても、後ろの空いているスペースでこっそり見ることを選びました。友だちが、善意から前に行けばなんとかなるよと引っ張って行ってくれる日もありました。でもやっぱりダメでした。前の方にいて地蔵なんていうのは許されなくて、手をあげてみるけどもうなんか全然なにも集中できない。そっちに気を取られて、ライブを見る意味がなくなってしまう。もう無理矢理そういう見方でライブを見ているうちに何が何だかわからなくなる。挙げ句の果てに気持ち悪くなってきてしまって自分が何をしているのか分からなくなって、ライブが早く終わらないかなとか思ってしまうくらい追い詰められる。信じられないかもしれないけど、私だって信じられない。意味がわからない、さすがにありえない、そんなのは自分が1番思っている。本当に本当に合わない。そういう見方が。好きであればあるほど、なぜかできない。だから知らないようなところだと逆にできちゃう時もある。なんでだろうね。言ってる意味、わかんないかもしれない。私もわかんないし。うん、意味わかんないよね。


だから自分のライブの見方が大嫌いで、だんだん人とライブに行くのが嫌になった。変だって言われるし、大丈夫だよできるよと言われるのがしんどかったし、一緒に行く人が嫌な気持ちになるのも嫌だった。


二丁魁を好きになってから、1ヶ月、1人で、1番後ろでライブを見続けました。正直めちゃくちゃ楽だった。後ろから、みんなの手が花みたいに咲くのを見てた。メンバーが前の人と目を合わせて笑うのを見てた。愛の交換会。ちゃんと見てた。綺麗だなあと思って毎回涙が出た。


初めて前で、2列目でライブを見た日、私はライブが始まる直前まで「やっぱり私、後ろに行きます」って周りの人に言っていました。怖かったから。周りの人に何か言われるのも怖い。変だと思われるのも怖い。何より、演者であるアイドルに嫌がられるのが1番怖い。それなら1人で、1番後ろで突っ立ってるほうがいい。前でライブを見たくなかった理由は、私がここを諦めたくなかったからです。ライブが始まる時間が近づくにつれてどんどん怖くなった。でも「大丈夫、棒立ちでいいから」ってみんなが言った。「前に行けばなんとかなる」んじゃなくて、棒立ちでいいって言われたのは初めてでした。


初めてこんなに前で見る二丁魁のライブは、想像以上に愛がほとばしっていて、良すぎて心臓が痛くなった。初めて白鳥さんと目が合った。きっと勘違いだ、と思ったけど、勘違いできるくらい前に自分がいて、自分の見方でライブを見れていることがどうしても嬉しくて泣いてしまった。


特典会でしらとりさんが、「ねえ今日、前にいた!嬉しかった!」って、本当に嬉しそうな顔をしたからびっくりして、つい「目、合った気がしちゃった」って口からぽろっと出てしまった。しらとりさんが笑って、「目、合ってます、私、合わせたんだよ」って私の手をぎゅっと握り直したのを覚えています。


その後初めて最前で見た日も、他の人するように目を合わせてくれて、特典会で私の番になった途端「最前にいた!」ってびっくりして喜んでくれるみんなが愛しかった。


だからこそ、カエルで跳べなかった日はすごく申し訳なかった。ミキちゃんに「煽ってくれたのに、飛べなくてごめんね」って謝った。やっぱり私にはダメだったんだと思ったし、さすがに何もできない私に呆れてるんじゃないかと思って怖かった。


でもミキちゃんは、「あれ、あんたに跳べって言ったんじゃないよ、あたしがあんたのかわりにちゃんと飛ぶから見てて、って意味でやったの」って言って、「泣かないで、大丈夫だから」ってハグしてくれた。 「やだ、そんなこと気にしてたの?」って言うミキちゃんの顔、本当にそんなこと気にして馬鹿だなあって思ってる顔だったから、この人は本当に愛の人だなあと思って笑ってしまった。「あんたはそのままでいいんだからね、楽しんでるのも感動してるのもちゃんとわかってる」私はこの日、すごく気持ち悪い言い方をすると呪いが解けた気持ちになりました。いつもそうなんです。この人達は色々なところで、私にかかっている呪いをガンガンに叩いてきて解いてくれるんです。また書くと思うけどピンクの呪いとかライブハウスの呪いとかアイドルの呪いとか他にもたくさんたくさん、出会ってから救われっぱなしだ。


最前でライブを見れる。前の方でみても、ライブにちゃんと集中できる。私のライブの見方が好きだと、同じものを応援する人に言われる。こんな日が来ると思わなかった。


私は二丁目の魁カミングアウトさんが大好きなんです。だからね、諦められないよ。私はわがままで自分勝手だから、本当の真実なんてわからないけど、だけどこの人達の言葉に甘えますし、他の人に何か言われても、変でも、どうしても、1000年たってもひとつ、ここだけは諦めたくないなあと思うよ。


おわり。ただのキショい自分語り。