2018.04.24 無料版絶対に埋まらないワンマンライブ

長いです

 

4月、静岡から東京に出てきて、二丁目の魁カミングアウトに出会いました。

 

 

地下アイドル、と言っていいのかわからないんですが、テレビに出るようなタレント性の高いアイドルしか知らなかったので、こうやってライブを月に何本もやる、ライブが本業!みたいなアイドルに接するのは初めてでした。

 

 

きっかけは、漫画です。ファンの方が描かれた漫画。静岡にいるときに、オタ垢に回ってきて読んだことがありました。知らない人が描いた、知らないアイドルのその漫画を、上京して少し経った頃、なぜか急に読み返したくなって、うろ覚えのワードで検索をかけました。そしたらちゃんと出てきた。なんで読みたくなったのかは分からないけど、実はそれまでもたまに検索しては読み返していました。単純に、その漫画が好きだったから。

 

 

久しぶりに読んで、二丁魁についてなんとなく調べてみる。ここで、無料版絶対に埋まらないワンマンライブがあることを知ります。そのとき、もう残っていたのはラストの日、4/24だけでした。

 

 

あ、これ、行かなきゃ。って、思った。

 

行かないと絶対後悔する、気がする。根拠もないのに、そう思った。

 

でもどうやって行けばいいのか分からないし、場所だとか、そこの雰囲気、ルール、マナーもわからないし、こういうアイドルについても、もちろん二丁目の魁カミングアウトについても、全く何も知らない。あるのは漫画の知識だけ。そもそも前にも書きましたがライブハウス(厳密に言うとアイソトープラウンジがライブハウスではないことを知るのはずっとあとです)は呪いの場所だったのでためらいました。

でもどうしても行かないといけない気がしてしまって、諦めることはできませんでした。最後の無料ライブの日は少しずつ近づいていきました。

 

 

 

 

勇気と情報が欲しくて、面識のないその方にいきなりDMを送りました。そのとき私はバリバリのジャニヲタで、鍵つきのアカウントで、名前もたしかハート2つで、めちゃくちゃ怪しい人だったんですが、その方は私の長いDMに、同じくらいのお返事を打ってくださいました。(そのあとも、当日初めてライブを見たあととか、初めてワンマンライブを見れた日とか、最前で見れた日だとか、その人の絵をライブ中に思い出した日だとか、色々なことがあるたびにその方にDMを送りつけていました(笑))

 

 

私は、ライブハウスが苦手です。1人でそういうところに行くのも、苦手です。できあがったコミュニティーが、苦手です。知らない人に自分から連絡を取ることなんて、怖いから大嫌いです。知らない人に話しかけたり、知らない場所にひとりで行く勇気なんて、持ってなかった。はずです。

 

なんでだ?

 

 

 

 

当日、4/24、来てしまった、と思いながら上の空で過ごしていたら、大学があっという間に終わってしまいました。それくらい一大イベントなので、その時の私の中で、1人でライブに行く、というのは。場所は新宿二丁目、ほとんど名前しか知らないのに、なぜか運命を感じたアイドルたちのライブ。

 

人生で初めて新宿三丁目駅で降りて、スマホで地図を見ながらアイソを探すものの大苦戦。そもそも新宿という土地について、南口からバスタまでの横断歩道しか知らないような地方民だったので、夜の新宿を歩いているのは不思議な気分でした。路地という路地をのぞき込んで歩き回りますがなかなか見つからず、この時点で泣きそうになりながら新宿二丁目をさまよいました。かなりの方向音痴で、本当に見つけられなかった!(たぶん、それに加えて出口を間違えてましたね)

 

 

同じ道をぐるぐるしているうちにやっとアイソを見つけて、フリーライブの看板を確認して、アイソ前でまた勇気が出ずにウロウロして、1回離れて息を吸って吐いて、もう入るしかない最悪500円は捨てよう入って即帰る、と腹を括りました。それくらい、勇気がいることだった、その時の私には。本当に500円払えばライブ見れんのか?と思いながら払ったら、本当に入れた。当たり前だけど。マジで見れるんだ、、ってびっくりしました。

手にスタンプを初めて押されて、ドリンクチケットをもらって、入ってまず、馴染みのない、会場内で行われる物販とバーカウンターにビビります。まだ人もあんまりいない。早く来すぎたかな。チェキ券をなんとか買って、まだ空いているフロアに入る勇気も出ず、一番後ろにそっと立って、めちゃくちゃに緊張していました。

 

 

 

 

私、本当にまるもうけしか知らないで来ちゃったどうしよう、本当に1人でライブ来ちゃったどうしよう、メンバーの名前もあやふやなんだけどどうしよう、ミキティー本物しかわからんし、あと黄色いぺいちゃん?は髪長い人で、たしか教えてくれた人の推しで、他のふたりはもう見分けもあんまりつかんしやばいなあ、腕上げれんけどどうしよう、叫ぶヤツとかあったらどうしよう、なにもわからんけど大丈夫かなあ、棒立ちでも大丈夫かなあ。ずっとこんなことを考えてました。きまるさんとしらとりさんの見分けがはっきりとはついてませんでした。多分髪色が同じだったからですね!やばいですね!ヤッベー!今では推しだよ!

 

 

初めて来た新宿二丁目で、まだライブも始まってないのに、半泣きでした。ほぼ泣いてました。この環境に慣れたような人たちの中に、何も知らないで1人で居るのが怖くて。

そんなことを考えているうちにどんどん人が増えていって、緊張もどんどん増していきました。

 

 

やっぱり帰ろうかな、と思った時、暗くなって、周りの人が沸きはじめました。やばい、始まる?帰れなくなった!と思ったらさらに怖くなったけど、ちゃんとライブが見れる、と思うとどこかで安心していました。

 

 

 

 

 

「はじめまして、二丁目の魁カミングアウトです!」

 

 

 

ライブが始まって、明るくなったステージに立った4人を見て、最初に思ったこと。すごい、でも、こんな感じなんだ、でもなくて、さっきまでの恐怖もすっかり消えて、 

 

 

 

「あ、見つけた」

 

って、なぜか、思いました。

 

 

 

 

そのまま始まる曲。初めて見るアイドルが歌う、初めて聴く曲。初めての曲は、そっ閉じ青春でした。

 

私の中で、最初に持ったイメージ。全てにおいて安心してみていられるのはミキちゃんで、煽りがうまいのはぺいちゃんで、ダンスがうまいのはきまるさんでした。

 

 

 

でも私はなぜか、しらとりさんばっかり見ていました。人の頭が8割の視界で、しらとりさんを見つけていました。あのまっすぐな目と、指先を見たくて、意味もなく背伸びしました。

しらとりはくちょうさん、か、この人。この人がそうか。生で見たら、見分けがつかないなんて思ってたのが嘘みたいだった。見つけちゃった、と思いました。やっと見つけた?見つけてしまった?どちらも当てはまる。この人、この人だ、白鳥白鳥、さん、この人が、私の、私のアイドル、かもしれない、と、思った。

 

 

 

理由はわからないです。あの日、なんで漫画を読み返したくなったのかも、何回漫画を読んでも行く気なんてなかったのに、その日に限ってどうして行かないといけない気がしたのかも、知らない人にいきなり長いDM送り付けるなんてことができたのかも、しらとりさんを見てこの人だ!って思ったのかも、わからないです。今でも。未だに。

 

 

 

 

 

この日、オタクたちのケチャというものを、人生で初めて見ました。パートが変わるごとにステージに向かって捧げられる手のひらが、花が咲くみたいで、愛の花だ〜綺麗だ〜、と思ったら涙が出ました。

 

 

 

初めて聞くミックスとか、オタクが全力で叫ぶ推しの名前、メンバーの煽りを浴びながら、なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ!と、ずっと混乱してた。いやだって、良すぎる。愛がありすぎる。

 

 

 

 

知らない曲がどんどん進んでいきました。次の曲も知らないし、その次の曲も知らない。まるもうけしか知らないでライブに来たのに、この日、まるもうけはセットリストにありませんでした。やらなかったんです。この日私が泣かされた曲たちは、全曲、知らない曲です。聴いたこともない曲です。ミキちゃんが、書いた曲、です。

 

知らない曲たちは、なんとなくすり抜けていきませんでした。音が染みました。聞き取れる歌詞の全部が刺さりました。私は知らない曲って楽しめないタイプで、コンサートの前は必ず予習する人だったのですが、ミキちゃんの歌詞の前では、最高の曲の前では、そんなのは関係なかったみたいです。ぼたぼた泣きながら突っ立っていました。

 

 

 

人生で初めて、ライブで泣きました。泣きながら、これだ、と思いました。これ、これだ、これが、私のアイドル。変なことを言うんですけど、体の中で、カチ、って音がする感覚がありました。私の中にある「アイドル」という枠に、二丁魁がはまった。

 

 

 

 

最後の挨拶、1人1人が話す。白鳥さんの挨拶。(ニュアンスしか覚えてませんが)

「初めて来てくださった方、1人で来てくださった方」

2つとも当てはまる私。ドキッとしました。

「二丁目に来ることって、勇気がいることだと思うんです。勇気を出して来てくれて、ありがとうございます」 

そんなことは絶対にないんです。ないんですけど、私のことか?と思ってしまうような言葉だった。

 

 

 

その言葉に、ライブだけでもう最高だったのに、来てよかった、なんて軽い言葉で済ませることができないくらい、その日の私がもっともっと救われてしまって、瞬きしたら涙が落ちてきた。

 

 

 

 

もっと早く出会えていればと思うことは、たまにあります。好きだから当たり前だね。でも、初現場が2018年4月24日で良かった、と、思わない日は、ないです。

 

 

 

 

アンコールも終わった頃、「かもしれない」は、「絶対にそう」に変わっていました。この人たちが、私のアイドルだ。

 

 

 

 

特典会になんとか並びながら、気持ちを忘れないうちに、ブログを書きました。

 

初めてのチェキ。もう推しは決まっていました。あの感覚を信じて、この人、白鳥白鳥さん。囲みとしらとりさんとのツーショット。全員と撮るチェキが囲みって呼ばれていることすら知らなくて、全員と、白鳥白鳥さんと撮りたいです、って言ったらお姉さんがにっこりしながら囲みとはくですね、と券を受け取ってくれて、全員のやつは囲み、囲みっていうのか、、はく、、あの人は、はくと呼ばれているの、、かわいい、、と思ったり。なつかしいねえなんか

 

 

 

 

私がカーテンの中に入ってきたとき、ぺいちゃんが私を見て「わぁ」って言って、目を細めてくれたの、覚えてる。初めて見る顔だったからかな?私がめちゃくちゃ緊張した顔してたからかな?なんか、お母さんが子供を見るみたいな目してた。私の番になったらすぐに優しく「はじめまして」って言ってくれた。

 

 

ミキちゃん「ライブどうだった?よかった?、、でしょ、よかったでしょ、え?あなた、1人?、、だよね!?え!すごい、うそ1人で来てくれたの!?え〜ありがとう、どうやって知ったの?」

 

 

名前は? 名前!? そう名前!なんて言うの? 本名でもいいですか?  いいよ教えてあなたの名前、本名を教えると、〇〇ね!ってにっこり笑って、あだ名みたいなもので呼ばれた。(その頃はおなカマネームの存在を知らない)

 

 

しらとりさんとの初めてのツーショ。手を握ってありがとうって言ってくれたのに、わぁ本当にあの人だ!って思ったらもう無理で、「うっ、、かっこいい、、、」とか言って目も見れずに、下を向いてチェキを撮りました。(笑)思い返すと初めの方は、全然しらとりさんと話してないなあ。すごく笑いながら、もう一度ありがとうと言って手をぎゅっと握り直してくれた。

 

 

 

 

ワンマンライブがあるの、とフライヤーを渡してくれました。

絶対楽しいよ、これ、絶対、約束する、来てね待ってるから、みんなが私を囲んで言うその言葉に、自信しか感じなかったから、「あの、私、このライブ、大学休んで、行きます、絶対に」って、気付いたら口から出ていました。実際、大学を休んででも見ないといけない気がしました。

やだ、うれしい、うそ!ほんとに?でも夜だから、そうだよ、学校ちゃんと出たあとでもきっと大丈夫だよ、来てくれる?ほんとに?絶対楽しくするね、5月1日、来てほしい、でも大学無理しないでね。

 

 

みんながたくさん話してくれるから、つい「こんなに話していいんですか」って言ってしまったんですけど、ミキちゃんが真剣な顔で、「大丈夫、話せるの、また来てよ、また話せるから」と言うから、「あ、絶対、また来ます」って返しました。

 

 

 

本当に帰る時、ありがとうございました、ってふらふらしながらカーテンを出ようとしたら、ミキちゃんが、ねえ、って声をかけてくれて、「もし1日来れなくても、また○○を待ってるからね、だから、また来て」って、笑ってくれました。

 

 

 

 

ふわふわした気持ちでアイソを出て、また迷いに迷って、駅に着いて、電車に乗ったら泣けてきてしまって、泣きながらライブのこと、特典会のことを思い出していました。

ミキちゃんの言葉、きまるさんの歌声、ぺいちゃんの煽り、

でもやっぱり1番思い出すのはしらとりさんのことで、ライブ中の指先、その手が私の手を、特典会で握ってくれたこと。挨拶。言葉。まっすぐな目とか、歌声を、思い出してました。

 

 

 

 

どうしよう!って気持ちでいっぱいで、出会っちゃった!私のアイドルたち!って気持ちでいっぱいで、出会っちゃった、私の、推し、って気持ちになって、混乱したまま家に帰った。

初めてのチェキは、玄関に入るまで、ずっと手に握りしめたまま。

 

 

 

変なことを言うと、その時持っていたほかのチケット、全部を捨てても、どうしても二丁魁のワンマンライブに行きたかった。他のどのアイドルよりも、二丁目の魁カミングアウトに、会いたくなってしまって。それくらい、それくらい、良かった、というか、感じるものがあって。まだ1度しか見ていないのに。

だからその気持ちを確かめたくて、この5日後、1人で肉フェスに行ったんですけど。行ったら、あぁやっぱり、この気持ちは本物だ、ってなって。ワンマンライブのチケット取って、1人で行って。その後も1ヶ月くらい、1人でずーっと一番後ろでライブ見続けた。ライブに1人で行けなかったなんて嘘でしょ?って思うくらい。怖かったけど怖くなかったよ。だって4人がいるからね。

 

 

 

 

 

「二丁目がいつかホームになりますよ」って言葉も、「長く生きてたら人生を変えてくれるアイドルにも出会えるし」という言葉も、全部、本当になりました。

 

人は、変われるらしいです。

アイドルは、人を、救うらしいです。

本当に好きなものは、そっと教えても大丈夫だったみたいです。

 

アイドルに救われたいという馬鹿な夢、染み付いていた呪い、考えていたこと全部、拾い上げてくれた。ぴったりはまるアイドルに出会えた。

アイドルジプシーなんてもうなつかしくて、半年で目まぐるしく、今までよりも確実に生きててよかったと思えることと楽しいことと、感動が一気に増えた人生、全部救ってくれたのは、このアイドルたち。

 

私は、永遠に推すだとか、そういうことは言いません。毎日毎日、好きすぎて全力で、いつ空っぽになるかわからない状態です。だから、言えません。言いたくありません。でも今この瞬間、降りる気は全くありません。この先もない気がしています、分からないけど。この状態、最高に楽しいです。

 

1つ約束できるのは、絶対に、ずっとずっと、好きです、しらとりさんのこと、二丁魁のこと。

 

こんなに幸せになって欲しいアイドル、他にいません。

  

 

 

すごく気持ち悪いことを言いますが。私が、死ぬ時。走馬灯が見れるとしたら。走馬灯を見る余裕を持って、死ねるとしたら。2018年4月からのこと、早朝と夜の新宿のにおい、カーテンの中でもらった言葉、手を握ってくれたあなたたち、二丁目の魁カミングアウトのこと。これは、絶対に、思い出すと思います。

 

 

 

 

さすがに大げさだと思うでしょ。私はアイドルには嘘をつきません。

 

 

 

 

「もう一度君に会いたい」